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​大腸カメラ

近年、日本では大腸がんの患者さんの数が増え続けています。日本における大腸がんによる死亡者数は肺がんについで2番目に多く、特に女性ではがんによる死亡者の中で大腸がんが最も多いというデータもあります。大腸がんは数年~10年程でゆっくりと増大していくという特徴があり、他のがんと比べて検査のタイミングさえあえば早期発見しやすいと考えられています。

​当てはまる方は大腸検査をおすすめします

 ✓便潜血検査が陽性

 ✓40歳以上で、これまで大腸カメラ検査を受けたこと  

  がない                     

 ✓大腸ポリープが見つかったことがある

 ✓家族の中に大腸がんになった方がいる

 ✓大腸以外でがんになったことがある

 ✓便秘や下痢または血便が最近出現した

 ✓喫煙習慣がある/過去にあった

 ✓糖尿病がある

 ✓運動不足である

 ✓肥満がある

 ✓体重減少や食欲の低下がある

1.事前外来診察のご予約

✾大腸カメラ検査を希望される場合、検査の適応があるかどうかを判断させて頂くため、事前に外来診察をお願いしています。

  • 外来当日は、保険証とお薬手帳を持参してください。

  • 問診内容を踏まえ、必要に応じて血液検査やレントゲン検査、腹部超音波検査を行うことがあります。

  • 鎮静剤の希望の有無を確認します。

  • 検査前日の食事制限、当日の持病のお薬について、日帰りポリープ切除についての注意事項、希望される方には鎮静剤についての注意事項について御説明します。

  • 検査・治療や合併症等の内容について同意された場合は、説明同意書にサインします。

  • 大腸カメラ検査の日時の予約をとり、検査用の下剤をお渡しします。

*便秘傾向の方は、検査用の下剤のほかに、普段から服用する下剤の処方を行ったり、検査前日に市販の検査食をご提案することがあります。

※ご注意

狭心症/心筋梗塞や心房細動、脳梗塞などの治療や予防のために、抗血栓薬*(いわゆる”血液をサラサラにする薬”)を服用されている方は、必ず事前にお伝えください。
*抗血栓薬は主に抗血小板薬と抗凝固薬の2種類があります。

2.検査前日

✾ポイントは食事内容の制限です。

  • 3食ともに食事制限があります。
    具体的には、日本そば、繊維質の多い野菜や根菜類、キノコ類、こんにゃく、海藻類、種のある果物やゴマ、揚げ物を避けてください。

  • 夕食は午後9時までに済ませてください。

  • 飲み物は、果実入りのジュース以外であれば、どんなものでも飲んで頂いて大丈夫です。

  • 検査用の下剤がモビプレップの場合:原則として検査前日に服用する下剤はありません。

  • 検査用の下剤がピコプレップの場合:ピコプレップは検査前日夜と検査当日午前の2日に分けて服用します。検査前日の夕食は早めに済ませ(目安:遅くとも午後6時まで)、夕食から1時間後よりピコプレップの1回目を服用します。

*検査食(1日3食分)を事前に購入することも可能です。ご希望の方はお申し付けください。
*便秘傾向の方には、食事制限の期間を長くする場合があります(例:3日に1回の排便頻度の方は3日前から。7日に1回の排便頻度の方は7日前から)。

 

3.検査当日

 

  • 検査当日は朝食と昼食を抜いてください。(午前検査の方は朝食のみ絶食)

  • 検査予定時刻の約4時間前から、自宅で検査用の下剤を服用します。

  • 2~3時間かけて5-10回程度の排便を行うことで(排便回数には個人差あり)、次第に便意はおさまります。

  • 最終的には排泄物からカスがなくなり、透明感のある液状になれば検査が可能です。

  • 普段飲んでいるお薬は、下剤を飲み終わってから服用してください。ただし、事前に中止するよう指示されているお薬(例:糖尿病の薬など)は服用しないでください。

  • 水分は十分にとるようにしてください。

*下剤を服用した際に、吐き気や嘔吐、腹痛、気が遠くなるような感覚やふらつきなどの症状が現われたら、途中で服用を中断し、すぐに当院へご連絡ください。

 

4.来院と準備

 

  • 検査予定時刻の30分前までに当院へお越しください。

  • 更衣室で検査着に着替え、前処理室(個室)で待機します。

  • 検査の順番が近くなったら、リカバリールームにある検査用ベッドで横になり、必要に応じて点滴を投与します。

 

5.検査

 

  1. 体の左側を下にして横になります。

  2. 肛門に潤滑ゼリーを塗った後に内視鏡スコープを挿入します。

  3. 大腸の奥(盲腸)まで内視鏡スコープを挿入します。
    *途中で体を仰向けにします。右側を向いたり、再度左側を向いて頂くこともあります。おなかをスタッフが手でおさえることがあります。

  4. 奥の方からスコープを少しずつ抜去し、大腸の中をよく観察します。

 
*検査の所要時間は20分前後です。その場で大腸ポリープを切除する場合は30分前後とお考え下さい。
*検査中に痛みやおなかの張りを感じることがあります。もしつらいと感じたら我慢せず、そばにいるスタッフへ伝えてください。
*鎮静剤を使用する場合、意識はある程度ありますが、ぼーっとウトウトした状態になりますので、つらさをほとんど感じることなく検査を受けることができます。

 

6.検査終了後

リカバリールームにて、15~60分程度ゆっくりお休みいただきます。

 

7.ご説明

当日、検査結果を説明します。

検査中に生検またはポリープ切除を実施した場合

①当日、処置後の注意点について説明します。
 ポイントは3つ

  • 食事は消化に良いものとし、刺激物を避けること

  • 飲酒、運動、出張・旅行などの遠出は控えること
    (守っていただく期間の目安は生検後5日間、ポリープ切除後2週間です)

  • ごく少量の出血は問題ありませんが、稀に多量の出血の場合や腹痛がみられた場合は速やかに御連絡ください。

② 2週間後、再診外来で病理結果をご説明します。

 

8.帰宅後

  • 検査のみの場合、帰宅後は通常通りの食事で構いません。

  • 生検やポリープ切除を行った場合、食事は消化に良いものとし、飲酒、運動、出張・旅行などの遠出は控えてください。

  • 検査の際に鎮静剤を使用した場合、当日に乗り物(車やバイク、自転車など)の運転は絶対に行わないでください。徒歩、バス、タクシーをご利用頂くか、ご家族による車の送迎をお願いします。

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